遺留分減殺請求権の行使とは

 相続に関連して遺留分減殺請求権を行使するという話を聞くことがありますが、この権利の行使について法律ではどのように定められているのでしょうか。

 遺留分減殺請求の行使については民法で詳細が定められています。

 遺留分減殺請求権者が複数存在する場合においては、それぞれの遺留分が侵害された額を保全する限度で減殺請求することができます。

 遺留分減殺請求権が行使された場合の効果についてみてみましょう。金銭の場合においては、すでに履行された部分については返還請求をすることができます。まだ履行されていない部分については、その後の履行の請求はできないことになります。土地などの特定物を遺贈した場合においては、原則として現物返還を請求することになります。もっとも、民法上、受遺者や受贈者が価額を弁償することによって現物返還をしなくてよいことが認められています。

 受贈者が遺留分減殺請求権を行使される以前に贈与の目的物を他人に譲り渡した場合、遺留分権利者に価額賠償をする必要があります。

 遺留分減殺請求権が行使された場合の対象となる贈与契約や遺贈の効力についてみてみましょう。判例は形成権説を採用しており、遺留分の減殺請求によってその限度で贈与や遺贈の効力が失われるので、現物返還が認められると考えられています。

 民法1042条では、減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年、相続開始の時から10年の期間制限に服するものと定められています。

 遺留分の放棄についてみてみますと、民法では、相続開始前の遺留分の放棄については家庭裁判所の許可を得たときに限り認められています。遺留分放棄をしたとしても、他の遺留分権利者の遺留分が増えるわけではいため、注意が必要になります。遺留分放棄によって被相続人が処分できる財産の割合が増加することになります。相続が開始した後の遺留分の放棄は自由に行うことができます。

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