債権とは

本日は民法ですね、債権について書いてみたいと思います。

 さて、債権者、債務者など債権に関する用語を普段からよく聞かれると思いますが、債権とは具体的にはどのようなものなのでしょうか。

 AさんがBさんからある本を買う約束をしたとします。
この場合には、AさんはBさんに対して代金を支払う義務が発生すると同時に、AさんはBさんに対して本を渡してもらう権利が発生することになります。Bさんからすれば、Aさんに対して本を渡す義務が発生し、Aさんに対して代金を請求する権利が発生することになります。

 上記の例のように、ある人がある人に対して特定の行為ないし給付(上記の例でいえば、本の引き渡し、代金支払いがあたります。)を請求することができる権利のことを債権といいます。
 そして、債権を有している当事者のことを債権者といい、債務を有している当事者のことを債務者とよびます。

 上記の例で考えてみますと、代金の支払いの点ではBさんが債権者にあたり、Aさんは債務者にあたります。一方で、本の引き渡しの点ではAさんが債権者にあたり、Bさんは債務者にあたります。そのため、この場合では、AさんもBさんも債権者であり、債務者であるといえます。

 上記債権債務はAさんとBさんの約束によって発生していますが、このような約束のことを契約といいます。契約とは2人以上の当事者がお互いに反対向きの意思表示を合致させることによって(上記の例でいうと、本をいくらで買うか、本をいくらで売るかということです。)、債権債務という一定の法律上の効果を作り出すものです。

 日本の民法では契約自由の原則がとられており、契約内容が反社会的なものでない限り、当事者が自由に、自由な内容のものを作ることが可能です。

 債権は債権者・債務者の当事者間だけを拘束する相対的な効力しかありません。これに対して、物権は、人の物に対する直接に支配権でるため、誰に対しても自分がその物に対して物権を有することを主張できます。上記の例でいえば、本を手に入れたAさんはこの本をAさんの自由に利用できますし、友人に貸したり、本を処分することも自由にできることになります。

遺贈とは

今回は相続について書いてみたいと思います。

相続の際に遺贈という言葉を聞くことがありますが、遺贈について法律上どのように定められているのでしょうか。

 遺贈とは、遺言によって自らの財産を無償で他人に与えることをいいます。民法964条では、遺言者は包括または特定の名義で財産の一部または一部を処分することができると定められています。

 遺贈は原則として自由に行うことができます。もっとも、964条但書で被相続人の意思では奪うことができない相続分を定めているため、その範囲内でのみ遺贈が認められているため、注意が必要です。

 遺贈には相続と似た部分があり、受遺者が遺贈者の死亡以前に死亡したときには遺贈は効力を失うことになります。また、遺贈に停止条件が付いており、受遺者が条件が成就する前に死亡した場合においても、遺贈は効力を生じないことになります。もっとも、遺言に別段の定めがあるのであれば、それに従うことになります。

 遺贈の場合も、相続と同じく胎児は既に生まれたものとみなされます。また、相続欠格者は受遺者になることはできません。
 遺贈の中に特定遺贈というものがあります。これは、遺贈の対象が特定の財産であったり種類によって指定されている場合をいいます。その中でも目的物の種類によって特定物遺贈と不特定物遺贈に分けられています。

 特定遺贈において遺贈を実行する義務を負う遺贈義務者がいます。一般的に遺贈義務者は相続人ですが、包括受遺者も含まれます。遺言執行者が定められている場合においては、遺言執行者が相続人の代わりに遺贈義務者になります。

 特定物遺贈についてみてみますと、遺贈の目的物が遺贈者が死亡した時点で相続財産に属していなかった場合においては、遺贈は効力を生じないことになります。もっとも、相続財産に属していなかった場合でも遺贈の目的とする趣旨である場合においては、その限りではありません。

 遺贈者が死亡した時点で遺贈の目的物に第三者の権利が付着していた場合においては、受遺者はその権利を消滅させることを遺贈義務者に請求することはできません。