賃貸借とは

 ようやく冬が近づいてきたと思っていたら、また最近暑いですね。
11月にしては記録的な暑さなようです。東京は23度。確かに驚きです。

さて、本日は法律は法律では賃貸借について解説してみたいと思います。

 アパートを借りるなど、何かしらの賃貸借契約を締結している方は多いと思いますが、法律上、賃貸借契約についてどのように定められているのでしょうか。

 賃貸借契約は民法601条に定められており、一方の当事者がある物(たとえばアパート)の使用収益をさせることを約束して、相手方がそれに対して賃料を支払うことを約束することによって成立し、効力を生じることになります。

 賃貸人は、賃貸借契約を締結している間、目的物を利用可能な状態で貸し続ける義務があります。そのため、賃貸人には、目的物の使用収益に必要な修繕をする義務があります。例えば、アパートの窓が台風で割れてしまった場合、賃貸人は直す義務があることになります。

 賃借人が、本来賃貸人が負担すべきである必要費(上記の窓を直す修理費など)を自分で出費した場合には、ただちに賃貸人に償還請求をすることができます。もっとも、それが有益費(例えば、普通の便器をウォシュレットに替えるなど)だった場合においては、賃貸人は、目的物の価値の増加が現実に存在している場合だけ、契約終了時に、その償還をすればよいことになります。

 賃借人には、用法順守義務があります。すなわち、借主は、賃貸借契約の性質によって定まった用法に従って、その物の使用及び収益をしなければならないという義務を負っています。

 債権は一般的には譲渡することが可能ですが、賃借権は他人に譲渡することができません。民法上、賃借人が賃借権を無断で他人に譲渡したり転貸することを禁じており、無断転貸があった場合には解除することができることが定められています。これは賃貸借契約が継続的な契約関係を基にしており、誰に貸すのか(上記例でいえば、誰にアパートを貸すのか)ということが重要であるためです。

 もっとも、借りているアパートを親族に転貸するというような必ずしも悪質ではない場合でもすぐに解除することができるとするのは妥当ではありません。判例上は、無断転貸の解除について、無断転貸が、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、解除権は発生しないものとしています。
 
 

請負とは

 どうも栗原です。
 最近は少し仕事が忙しく、1ヵ月に1本のペースとなっておりますが、ご容赦ください。

 本日はですね、請負について解説したいと思います。

 仕事を請負う、請負人など請負という用語は日常的によく聞きますが、法律上はどのように定められているのでしょうか。

 請負とは、当事者の一方である請負人がある仕事を完成することを約し、相手方である注文者がその仕事の結果に対して報酬を与えることを約束することによって効力が生じる契約であると民法上定められています。たとえば、Aさんが大工であるBさんに家を建ててもらう契約をした場合、これは請負契約にあたります。

 請負契約は仕事の完成が目的であるため、報酬は特約がない限り後払いとなります。すなわち、その完成した目的物の引渡しの時あるいは仕事を完了した時に報酬を受け取れることになります。

 請負契約は当事者の合意のみによって成立する諾成契約です。

 請負人は請け負った仕事を完成させる義務を覆うことになります。下請負をさせた場合においては、請負人は、下請負人に故意過失があった場合に責任を負うことになるため、注意が必要です。

 請負の目的が家の建築など有形のものである場合、請負人は完成物を注文者に引き渡す義務があるとされています。上記の例でいえば、AさんはBさんに対して完成した家をBさんに引き渡す必要があります。

 完成した仕事の目的物に瑕疵がある場合においては、請負人は瑕疵担保責任を負うことになります。これは無過失責任であり、注文者は解除と損害賠償の双方を行うことが可能です。もっとも、建物その他土地の工作物については解除ができません。これは解除して全てを原状回復するとなると莫大な費用がかかり、社会生活上不経済であると考えられているためです。

 目的物の瑕疵が注文者から供した材料の性質や注文者の指図によって生じた場合においては、担保責任はありません。もっとも、請負人がこれらの材料や指図が適当ではないと分かっていながら告げなかった場合には、担保責任を負うことになるため注意が必要です。

 担保責任の存続期間は原則として引き渡しから1年となります。しかし、土地工作物の場合は、工作物またはその地盤の瑕疵については引き渡しから5年、石造、土造、金属造のような堅固な工作物については10年となります。このような瑕疵についてはすぐに分からないことが多いからであると言われています。

遺言の効力とは

9月になってもまだまだ夏は終わりませんね。。

 さて、前回、遺言について解説させていただきましたが、果たしてその遺言には、どれほどの効力があるのかを今回は解説したいと思います。

 最近では相続への関心の高まりとともに遺言書を作成される方も増えていますが、遺言の効力について法律ではどのように定められているのでしょうか。

 遺言の方式について民法で定められていますが、これらの方式に従って遺言書が作成されたとしてもそれだけで遺言が有効になるわけではありません。

 遺言が有効になるためには、遺言者が遺言を行う際に遺言能力を有していることが必要になります(民法963条)。15歳以上であれば有効な遺言を行うことが可能です(961条)。

 遺言の際に意思能力が必要であるため、成年被後見人は遺言能力がありません。もっとも、事理を弁識する能力を一時的に回復した場合には、成年被後見人も医師2人以上の立会いのもとで特別な方式に従って遺言をすることが可能です(973条)。

 遺言が行われた場合、遺言の効力が発生するのは遺言者が死亡した時点です。

 遺言の撤回についてみてみますと、いったん遺言を行ったとしても、遺言者はいつでも遺言の方式にしたがって遺言の全部または一部を撤回できます(1022条)。遺言の撤回権を前もって放棄することはできません。

 以前に行った遺言と抵触する遺言が行われた場合、抵触する部分においては、以前の遺言を撤回したものとみなされます。遺言の内容と抵触する生前処分(例えば、遺言でAさんに甲土地を贈与すると書いていたものの、遺言者が生きている間にAさんではなくBさんに甲土地を贈与した場合などです。)その他の法律行為がなされた場合も以前の遺言が撤回されたものとみなされます。また、遺言者が故意に遺言書を破棄した場合においては、破棄した部分について遺言を撤回したものとみなされます。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄した場合も遺言を撤回したものとみなされます。

 遺言の撤回行為を撤回したり、効力を失った場合であっても、いったん撤回された遺言は原則として復活しないことになります。もっとも、撤回行為が詐欺または強迫を理由として取り消された場合においては、撤回された遺言が復活することになります。

遺言とは

 どうもこんにちは、栗原です。
しかし、暑いですね。。どうぞ皆さん、夏バテされないように。

 本日は、遺言について解説してみましょう。

 高齢化が進み、近年では相続への関心が高まっており、それに伴って遺言が行われる数が高まっています。遺言について法律ではどのように定められているのでしょうか。

 遺言については民法で様々な事項が定められています。

 遺言の方式には、普通方式と特別方式があります。普通方式が一般的な遺言の方式であり、具体的には自筆証書、公正証書、秘密証書があります。一方、普通方式にしたがった遺言をすることができない緊急の場合に行われるのが特別方式の遺言です。特別方式の遺言には危急時遺言、隔絶地遺言があります。

 自筆証書遺言についてみてみますと、遺言者がその全文、日付、氏名を自書して押印するのみで成立します。遺言を実際に執行するためには家庭裁判所の検認が必要です。パソコンなどで作成した場合には自書として認められないと考えられています。カーボン複写の方法による遺言については判例では有効であると認められています。日付については、遺言を作成した時点で遺言能力の有無、内容が抵触する複数の遺言が存在した場合の先後などを判断するために必要であるため、日付がなければ遺言が無効となります。自筆証書遺言のメリットとしては、簡単に作成できること、遺言が存在することを秘密にできることなどが挙げられます。一方で、紛失・偽造の危険性や、内容によっては効力が無効となる場合がありますので注意が必要です。

 次に公正証書遺言についてみてみましょう。公正証書遺言は以下の方式に従って作成されます。すなわち、証人2人以上の立ち合いのもと、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授して、公証人が遺言者の口授を筆記し、これを遺言者と証人に読み聞かせて、または閲覧させて、遺言者と証人が筆記の正確なことを承認したあとに、各自がこれに押印することです。もっとも、遺言者が署名できない場合には、公証人がその事由を付記して署名に代えることができます。最後に公証人がその証書が以上の方式に従って作成したものである旨を付記してこれに署名押印することになります。

贈与とは

司法書士の栗原 誠です 

いつも拙いブログを読んで頂き、ありがとうございます。
本日は贈与について書いてみたいと思います。

物を贈与する、贈与税など日常的に贈与をいう用語を聞きますが、法律上、贈与とはどのようなものなのでしょうか。

 民法によると、贈与とは、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える契約であると規定されています。例えば、無償でAさんがBさんに自分の本を与える契約は贈与契約にあたります。

 贈与契約は、契約の成立に当事者の合意のみでよいとされているため、諾成契約にあたります。そして、無償で相手方に自己の財産を与える契約であるため、無償契約にあたります。
また、贈与者には自己の財産を相手方に与える義務が発生するのに対して、受贈者にはなんの義務も発生しないため、片務契約にあたります。

 うっかり口約束で贈与契約を締結してしまった場合、これを撤回できる規定が民法上定められています。すなわち、契約書面を作成していない口約束であり、財産を引き渡すなどの履行をまだしていない場合には、これを撤回することができると定められています。

 上記のような規定があるため、贈与の書面があるかないか、履行があったかどうか争われる事例が数多く存在します。履行についてみてみますと、本などのような動産については引き渡しの終了があれば履行の終了があるといえます。家や土地などの不動産については登記まで備える必要はなく、引き渡しがあればよいと考えられています。

 贈与者は、目的の財産の権利、先ほどの例でいえば、本をAさんはBさんに引き渡す義務を負うことになります。

 贈与契約の瑕疵担保責任についてみてみますと、贈与者の責任は売買契約における売主の責任よりも軽減されています。その理由は贈与契約が無償契約であるからであると言われています。

 上記贈与契約の他に、負担付贈与という受贈者に何らかの債務を負担させる契約もあります。これは、例えば、豪邸をあげる代わりに、毎月3万円仕送りを送金するというような、贈与の目的物と対価であるとはいえない程度の債務を負担するような場合のことをいいます。

遺留分減殺請求権の行使とは

 相続に関連して遺留分減殺請求権を行使するという話を聞くことがありますが、この権利の行使について法律ではどのように定められているのでしょうか。

 遺留分減殺請求の行使については民法で詳細が定められています。

 遺留分減殺請求権者が複数存在する場合においては、それぞれの遺留分が侵害された額を保全する限度で減殺請求することができます。

 遺留分減殺請求権が行使された場合の効果についてみてみましょう。金銭の場合においては、すでに履行された部分については返還請求をすることができます。まだ履行されていない部分については、その後の履行の請求はできないことになります。土地などの特定物を遺贈した場合においては、原則として現物返還を請求することになります。もっとも、民法上、受遺者や受贈者が価額を弁償することによって現物返還をしなくてよいことが認められています。

 受贈者が遺留分減殺請求権を行使される以前に贈与の目的物を他人に譲り渡した場合、遺留分権利者に価額賠償をする必要があります。

 遺留分減殺請求権が行使された場合の対象となる贈与契約や遺贈の効力についてみてみましょう。判例は形成権説を採用しており、遺留分の減殺請求によってその限度で贈与や遺贈の効力が失われるので、現物返還が認められると考えられています。

 民法1042条では、減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年、相続開始の時から10年の期間制限に服するものと定められています。

 遺留分の放棄についてみてみますと、民法では、相続開始前の遺留分の放棄については家庭裁判所の許可を得たときに限り認められています。遺留分放棄をしたとしても、他の遺留分権利者の遺留分が増えるわけではいため、注意が必要になります。遺留分放棄によって被相続人が処分できる財産の割合が増加することになります。相続が開始した後の遺留分の放棄は自由に行うことができます。

委任とは

 委任状や仕事を委任するなど、日常で委任という言葉をよく聞きますが、法律上、委任とはどのようなものなのでしょうか。

 民法643条では、委任は、当事者の一方(委任者)が法律行為をすることを相手方(受任者)に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生じるものと定められています。

 委任された法律行為についてはその完成は目的とされていません。請負は仕事の完成を目的としているため、この点で委任と請負は異なるといえます。

 委任は、この人だからこの仕事を頼もうという、いわば当事者間の信頼関係が基礎にあります。委任をされた仕事については受任者に一定の裁量があります。この点で、指示された仕事を行う雇用とは異なるといえます。

 現在行われている委任契約のほとんどは受任者が報酬をもらう有償委任ですが、民法上、委任では特約がないかぎり受任者は報酬を請求することはできません。

 委任は当事者の合意のみによって成立する諾成契約です。民法上、委任者・受任者どちらからでもいつでも委任契約を解除することができると定められています。これは委任契約が当事者の信頼の上に成り立っており、信頼関係がなくなった以上はいつでも契約を解除できるようにしたものであるといわれています。

 受任者は、善良な管理者の注意義務をもって受任した仕事を処理する義務を負うこととされています。これを善管注意義務をいいます。すなわち、自分のものを管理するよりも高い注意義務をもって受任した仕事を処理するべきであるということです。

 受任者は委任者の請求に応じて状況を報告したり、終了後に結果を報告する義務があります。そして、委任事務処理にあたって、受け取った金銭その他の物があるときは、それを委任者に引き渡す必要があります。受任者が、委任者のために自己の名前で取得した権利があるときはそれを委任者に移転する義務を負います。受任者が委任者に引き渡す必要のある金銭を自分のために消費してしまった場合には、その消費した日以降の利息を支払う必要があります。

債権とは

本日は民法ですね、債権について書いてみたいと思います。

 さて、債権者、債務者など債権に関する用語を普段からよく聞かれると思いますが、債権とは具体的にはどのようなものなのでしょうか。

 AさんがBさんからある本を買う約束をしたとします。
この場合には、AさんはBさんに対して代金を支払う義務が発生すると同時に、AさんはBさんに対して本を渡してもらう権利が発生することになります。Bさんからすれば、Aさんに対して本を渡す義務が発生し、Aさんに対して代金を請求する権利が発生することになります。

 上記の例のように、ある人がある人に対して特定の行為ないし給付(上記の例でいえば、本の引き渡し、代金支払いがあたります。)を請求することができる権利のことを債権といいます。
 そして、債権を有している当事者のことを債権者といい、債務を有している当事者のことを債務者とよびます。

 上記の例で考えてみますと、代金の支払いの点ではBさんが債権者にあたり、Aさんは債務者にあたります。一方で、本の引き渡しの点ではAさんが債権者にあたり、Bさんは債務者にあたります。そのため、この場合では、AさんもBさんも債権者であり、債務者であるといえます。

 上記債権債務はAさんとBさんの約束によって発生していますが、このような約束のことを契約といいます。契約とは2人以上の当事者がお互いに反対向きの意思表示を合致させることによって(上記の例でいうと、本をいくらで買うか、本をいくらで売るかということです。)、債権債務という一定の法律上の効果を作り出すものです。

 日本の民法では契約自由の原則がとられており、契約内容が反社会的なものでない限り、当事者が自由に、自由な内容のものを作ることが可能です。

 債権は債権者・債務者の当事者間だけを拘束する相対的な効力しかありません。これに対して、物権は、人の物に対する直接に支配権でるため、誰に対しても自分がその物に対して物権を有することを主張できます。上記の例でいえば、本を手に入れたAさんはこの本をAさんの自由に利用できますし、友人に貸したり、本を処分することも自由にできることになります。

遺贈とは

今回は相続について書いてみたいと思います。

相続の際に遺贈という言葉を聞くことがありますが、遺贈について法律上どのように定められているのでしょうか。

 遺贈とは、遺言によって自らの財産を無償で他人に与えることをいいます。民法964条では、遺言者は包括または特定の名義で財産の一部または一部を処分することができると定められています。

 遺贈は原則として自由に行うことができます。もっとも、964条但書で被相続人の意思では奪うことができない相続分を定めているため、その範囲内でのみ遺贈が認められているため、注意が必要です。

 遺贈には相続と似た部分があり、受遺者が遺贈者の死亡以前に死亡したときには遺贈は効力を失うことになります。また、遺贈に停止条件が付いており、受遺者が条件が成就する前に死亡した場合においても、遺贈は効力を生じないことになります。もっとも、遺言に別段の定めがあるのであれば、それに従うことになります。

 遺贈の場合も、相続と同じく胎児は既に生まれたものとみなされます。また、相続欠格者は受遺者になることはできません。
 遺贈の中に特定遺贈というものがあります。これは、遺贈の対象が特定の財産であったり種類によって指定されている場合をいいます。その中でも目的物の種類によって特定物遺贈と不特定物遺贈に分けられています。

 特定遺贈において遺贈を実行する義務を負う遺贈義務者がいます。一般的に遺贈義務者は相続人ですが、包括受遺者も含まれます。遺言執行者が定められている場合においては、遺言執行者が相続人の代わりに遺贈義務者になります。

 特定物遺贈についてみてみますと、遺贈の目的物が遺贈者が死亡した時点で相続財産に属していなかった場合においては、遺贈は効力を生じないことになります。もっとも、相続財産に属していなかった場合でも遺贈の目的とする趣旨である場合においては、その限りではありません。

 遺贈者が死亡した時点で遺贈の目的物に第三者の権利が付着していた場合においては、受遺者はその権利を消滅させることを遺贈義務者に請求することはできません。